“ボタンに新たな命を注ぎ込む”アクセサリー作家の手仕事

mikke(アクセサリー作家)

人・モノ・食

個性的なイヤリングやピアスの数々。よく見るとどのアイテムにもボタンが施されている。そのどれもがすべて一点もの。若者から主婦まで幅広い層に人気なのが特徴。静岡県浜松市界隈でボタンを使ったアクセサリーが話題となっている、アクセサリー作家のmikkeさん。mikkeさんについて話しを伺います。

 

——どのアクセサリーもキラキラしていてきれいですね。これはボタンですか?珍しいデザインのボタンばかりですね。

そうなんです。イギリス在住の日本人の方がいて、定期的にボタンを送ってきてくれるんです。現行品はありません。ほとんどのものが、ヴィンテージや、デットストックですね。なので、世界に1個しか存在しないボタンもあるので同じ作品は作れないんですよ。

イヤリングとアクセサリー

すべての作品が、一点もの。さらに、左右別々のデザインがとてもユニークだ。人と被らないところがmikkeさんの作品の魅力。ボタンひとつをとってみても存在感がある。海外のボタンはさまざまなデザインがあってみているだけでもおもしろい。

 

——かなり細かく作りこまれているように見えますが、制作時間はどれくらいかかるのですか?

んー時間はけっこうかかりますね。まず、いくつか主役となるボタンとそれに合うデザインのパーツの組み合わせを一気に考えて並べていきます。それをどんどん編んでいく。大体それが1日の作業って感じですね。それで、編み終わったら今度は装飾をしていきます。ひとつずつビーズを付けたりして、土台を固めていきます。それをまた1日置きます。

そして、ビーズ等がずれないようレジン(樹脂)を使って硬化していく。それでまた1日置く。何日もかけて一気に仕上げていく感じです。またそこから、個々の商品によってチャームを付けたりと細かい装飾をすることもあるので、そうなるとまた日を置いてという感じになりますね。

イヤリング制作の説明

——デザインのインスピレーションはどこから。

直感ですね。ボタンに合うものに対して装飾のパーツを考えます。このボタンにはこれが合うかなとか、ボタンがこの色だからこのパーツと色味が合いそうだなって考えながら。

 

——作品づくりのこだわりはどうですか。

とにかくときめいたボタンだけを使うことですね。あと、ボタンに組み合わせるパーツも流行りがあるので、パーツをいち早く見つけることですね。やはり、服飾もトレンドがあるので、常に意識していますね。

髪留め

——こちらにある植物?を詰め込んだ置物があるのですが、これも制作されたものですか。

これは、私の母が制作したものなんです。母が、フラワーアレンジメントをやっているのでこういったものも制作しています。

ブッダナッツと呼ばれているもので、インドやミャンマーなどに生えている木の実にお花などを入れるととても可愛いと話題だそう。また、仏陀の顔の形に似ていることから幸運の実とも呼ばれている。

植物の置物

——マスクも個性のあるデザインで、シンプルな服にポイントとなりそうですね。マスクは、以前から制作されていたのですか。

ありがとうございます。1月頃からコロナの影響で、イベントが軒並み中止になって、アクセサリーを直接見てもらう場、売る場がなくなってしまったんです。それで、マスクの需要が急激に高まってきたということもあってつくりはじめました。

実は私、ミシンが苦手で・・・(笑)昔は、よく使っていたので昔を思い出してつくっていました。つくりはじめた当時は、3日くらいかけて50枚つくっても、1時間も経たずに完売という状況でした。ですが、夏ぐらいから不織布マスクが市場に出始めてからは、布マスクの需要が落ち始めて。10月ぐらいから少しずつイベントも再開しはじめましたが、アクセサリーもマスクも売れ行きが思うようにいかず、このままだと私のブランドが忘れられてしまうんじゃないかって。

マスク

あきらめかけていた時に、女優の熊谷真実さんがインスタライブでアクセサリーを紹介してくださったんです。真実さんが紹介してくださったことを機に辞めることを辞めようと思ったんです。

——コロナの影響は計り知れませんね。その影響で辞めようと。

はい。アクセサリーが売れなかったのでマスクをつくりはじめたのですが、やはりマスクだけというのも厳しいところもあって。ブランドを辞めようかなって思っていた時期でもありました。ですが、もう一度頑張ろうって思ったんです。

——そうだったんですね。そういえば熊谷真実さんが、さんま御殿に出演された際に着用されていましたね。どんな心境でしたか。

もう感動でしかないですよね。真実さんがそんなに愛用してくださっているとは(笑)真実さんとはイヤリングを紹介していただいたことをきっかけに、何度か連絡のやりとりさせていただいて、いくつかお求めになっていただいてました。

まさか、さんま御殿で付けて出演してくださるなんてって感じでしたね。そのときは、番組をかぶりついて観てましたね(笑)本当に嬉しかった。

熊谷真実さん

真実さんが紹介してくださったことで、同じものが欲しいというお問合せがたくさんくるようにりました。また、出店するイベントに真実さんのファンの方が来て下さったり、イベント開始前から来てくれるお客さんが増えましたね。もちろん、以前からごひいきにしてくださっているお客さんも大勢いますが、なによりこのブランドを知ってくれた人が増えたのがとても大きいですね。

それに、コロナが流行り始めた頃に比べると、マスクを着けることに慣れてきた人が増えてきたということもあって、マスクをしながらでもピアスやイヤリングをつけてオシャレをしたい人たちが増えてきたので、アクセサリーも以前のように買っていただけるようになってきましたね。

ラッピングをするMikkeさん

——熊谷真実さんが紹介してくださったことをきっかけに、さらに人気に火が付いたmikkeさんの作品ですが、そもそもアクセサリー作家になろうと思ったきっかけはなんだったんですか。

出産して、産後すぐに職場復帰せずにいました。でも、仕事というか何かしたいくて、軽い気持ちでハンドメイドを始めてみようかなって思ったのがきっかけでした。それでだんだんとのめりこんでいったって感じです。

イヤリングとアクセサリー

——ハンドメイドというとジャンルは多岐にわたると思いますが、ハンドメイドだったらなんでもよかった。

そうですね。その中でも、比較的作れそうなアクセサリーを選びました。でも、ネックレスとか指輪は流行りがあると思ったし、特にネックレスは最近あまり付けている人を見かけないってこともあって、なかでも比較的イヤリングやピアスはつける人が多いと感じていたので、それらをメインに制作していこうかなと。

 

——ブランド設立当初から、ボタンをメインに制作されていたんですか。

最初は、ガラスドーム(ガラスでできた玉)に花を入れたアクセサリーを作っていましたね。ハンドメイドを始めた頃にハーバリウムが流行っていたということもあって。ですが、流行っていたから当然他の人と被っていて、なにか差別化になるアクセサリーを制作したいと模索していた時に、たまたま身近に友人のボタン作家さんがいたんです。それでボタンの虜になって、そこからですね。ボタンをメインに使ったアクセサリーを制作しようと思ったのは。

Mikkeさん

カフェの小スペースに置いてもらうところからのスタートだったmikkeさん。カフェのオーナーからディスプレイの仕方などを教わったりしたそう。しかし、当初はまったく売れなかったという。試行錯誤を繰り返しながら、徐々に口コミで話題になり、今やさまざなカフェや雑貨屋でも取り扱いされるようになった。

 

——mikkeさんの作品は、幅広い層の人たちに支持されていますよね。

少しは認知されるようになってきたかなと思います(笑)全国的にみたらボタンを使ったアクセサリー作家さんはいますが、浜松で私がやり始めた頃は、ほとんどいなかったのでそれは良かったかなって。でも、最近増えてきましたね。今はなんとなく、ボタンブームのように感じています。

接客しているMikkeさん

——最後に、mikkeさんの展望や目標を教えてください。

一番の目標は、女優さんにつけてもらうっていうのが目標だったんですけど、叶っちゃったんですよね(笑)そういう目標があるなんて誰にも言っていなかったんですけどね。バレないように、さりげなくインスタのハッシュタグに衣装提供って入れたりしてました(笑)今後の目標は、考え中です(笑)

アクセサリーに添えられてる台紙のデザインは、mikkeさんの地元の若手デザイナーが制作したそうです。この可愛いデザインは、アクセサリーとの相性もいい。ぜひ、直接アクセサリーと一緒に手にとってみてください。

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プロフィール

mikke ミッケ

アクセサリー作家

静岡県磐田市在住。出産を機に、ハンドメイド制作をはじめる。ボタンをメインに制作するアクセサリーは独特の世界観を作りだす。この世界観のファンも多く、若者から主婦層まで幅広い人気。また、テレビなどでも活躍されている女優 熊谷真実さんもファンの一人。
Instagram:@mikke1208