
子どもから学ぶ大切なコト
環境教育プログラムの企画運営スタッフ
求人
舞台は、静岡県静岡市。
自然豊かな秘密のような場所があります。
この場所で教育活動を行っているNPO法人しずおか環境教育研究会、通称エコエデュ。
住宅街を抜けると風景が一変。緑と山に囲まれた場所にたどり着きます。
徐々に細くなる道幅。少し緊張しつつ進むとエコエデュがあります。
エコエデュでは、遊び、学び、考える、変化、行動の5つの種をエコエデュ独自のプログラムに込め、自然のなかでの教育を通じて、自分自身の答えを追求する力の源を育てることを目的とした事業を行っています。
エコエデュプログラムは、中心街からすぐ近くの里山で実施しています。
今回募集するのは、環境教育プログラムの企画運営スタッフ。
自然と触れ合いながら子どもたちの成長を見守る仕事。
「今日1日お願いします」と出迎えてくれたのは、入社2年目の原田(はらだ)さん。
本日は原田さんにお話しを伺います。
原田さんは、お酒がとても好きなんだそう。特にビールが好きということで、自宅には世界のビールが並んでいるというビール通。
そんな原田さんはというと東京の大学へ進学して卒業後、作業療法士として働いていました。その後、結婚を機に静岡にこられたそう。
もともとこういう教育の場に興味があったのですか。
「大学時代に、ボランティアで障害のある子どもたちとキャンプをした経験のなかで、こんな風に自然と向き合いながら子どもたちとキャンプをしたりできる仕事がしたいなってその頃からぼんやりですが思っていました」
「それにもともと東京出身なのですが、小さい頃に毎年家族で山登りしたり、地域のキャンプに行ったり、自然と触れ合う時間が多かったということもあって自然が好きということもありました」
「静岡に引っ越してからエコエデュの存在を知って、最初『環境教育』ってなんだろうって。とにかく面白そうだと思ってエコエデュに連絡しました」
本日は「里山QUEST」というプログラムに同行させていただきました。
ところで、里山QUESTとはどういうプログラムですか。
「小学一年から二年生を対象に、やってみたいことなどを自分たちで考えて行動するというものです。やりたいことを考えてつきつめていく。QUEST=探究するプログラムです。1人ひとり今日の目標を立てて活動しています」
「例えば、池を作るという計画を立てたこともあったり、秘密基地をつくってピザを焼いて食べるなんていうことも冬の間3ヶ月ぐらい取り組んだこともありました。計画性をもって探究する活動です」
同行させていただいた里山QUESTは前回に引き続き、田んぼと川に行って遊ぶというもの。
とにかく自分たちで考え、決めること。そして自分たちで行動に移す。
探求心をつきつめていくことで子どもの可能性を伸ばすという教育。
そんなエコエデュの教育方針がとてもユニーク。
例えば、職員の方たちの名前や年齢など子どもたちには公表していない。
「子どもたちに対し大人とか先生とか親みたいな感じに思われたくなくって。一緒に遊ぶお姉さん、お兄さんという立場で伝えていきたいなって。だから職員みんなニックネームがあって子どもたちはニックネームで呼び合っています」
ちなみに、原田さんのニックネームは「もやい」とのこと。
また、エコエデュでは答えを言わないようにしている。
「例えば、おたまじゃくしがいたとするじゃないですか。川にはおたまじゃくしがいるのかな。とか、川に比べて田んぼの方がおたまじゃくしがいるのはなんでだろうとか。図鑑を見れば分かることかもしれないけれど、それをなんでだろうと考えることが大切だと思っています。たまに答えを言ってしまって、やっちゃったって後悔をすることもあります(笑)」
「‟自分で考える力”を身につけてほしいから問いかけは大切って思うんです」
「また、虫を捕まえれるようになった。とか、自然と育むようになった。など手段を養うということより、相手の立ち場になって考えられるようになってほしいという想いで行っています。自然はあくまで自分自身を形成するツールにすぎませんから」
親御さんからの反応はどうですか。
「エコエデュの参加者の保護者さんたちが集まる会でこんなことを話してくださった親御さんがいました」
『ピアノやスイミングといった習い事がたくさんあるなかで、エコエデュは同列ではなくその土台をつくってくれている場所だと思います。ここは生きる土台、人間力を育ててくれている場』
「みんなで一緒に子育てをしているよ!みたいな。そんな感覚で活動しているので、そういう言葉はほんとうにうれしいですね」
エコエデュへ通っている子どもたちに、どういう大人になっていってほしいですか。
「こういう大人になってほしいという理想はあるけれど、こういう大人になってほしいからっていろんなことを制限してしまうと、個性がなくなってしまうのかなって。一人ひとりいろんな考えをもっているから、その一人ひとりの個性を伸ばしていってほしいなって思いますね。面白い大人になってほしいと思います」
「私自身、長女で優等生タイプというか先生が言っていることは正しいと思っていた人間だったので自分らしさや自分というものを押し殺して生きてきたところもあって、自分がないものを子どもたちに求めているのかなって思っていたりもして」
仕事の大変なところは。
「プログラムやイベントの企画を立てることですかね」
「このプログラムやイベントを通してどういうことを伝えられることできるのかとか、どういう手段でやっていくのかとか。それを考えることが大変かなって思います」
「困ったら経験のある人や知恵のある人からいいところをもらいながらなんとかやっています(笑)」
「あと、安全管理の報告書、プログラムの報告書の提出など提出書類がいろいろあるところですかね。安全に、有意義な活動をしていくためには必要なことではありますが」
入社したら最初に大変だと感じたところはどこでしょう。
「子どもに対して声をかける仕事なので意識して声をかけるところ。先ほども言いましたが、答えを言わず問いかけるように心掛けていることなど。なんて言ったら子どもに伝わるかとか、なんて言ったらもう一歩考えられるようになるんだろうとか。そういうことを意識しながら声をかけています」
「もっとこういう風に伝えればよかったなとか、さっき言ったことは余計だったなとか。後悔や反省はしますね。ニコニコして遊んでいる中で、どういう声がけをするのが適切なんだろうとか。そういうところが最初は慣れるまで大変と感じるかもしれませんね」
子どもたちにどういう反応をしてあげることがいいのか。マニュアルはない。だから一人ひとりちゃんと向き合わなければ難しい仕事だと思う。
一日の仕事の流れはどうでしょう。
「その日によってさまざま。基本的には9時から18時ですが、今日みたいなプログラムがある日は片づけなどをしていると19時とか19時30分くらいになってしまうので、出勤時間を1時間遅らせたり調整しながら出勤します」
「また、通常のプログラムは夕方からなのでそれまでは来月のプログラムの企画を考えたり、まだ先ですが秋ぐらいにキャンプを予定しているのでその企画を立てたり、あとは事務的な作業が多いですね。なんだかんだあっという間に時間が過ぎていきますね」
「この仕事って毎日野山を駆け回っていると思われがちなのですが、一日中PCの前で仕事していることもあります。外に出ているよりも事務作業している時間の方が長いです」
仕事の魅力は。
「こうしなきゃいけないというのがないところですね。例えば、学校ってこの時間のなかでこれは教えないといけないってあると思うんですね。ここでは、自分がこうしたい。こうできたらいいなって思うことができます」
「自分次第だからそれがプレッシャーになるかもしれないけれど、自分にしかできないこともあるし、自分が伝えたいように伝えられるところが魅力ですね」
「あと、子どもたちが面白いですね。子供ってこういうふうに感じるんだとか、一つのことをずっとしている子どももいれば飽きてすぐ違うことをする子もいたりと、さまざまな子どもたちの色と言いますか。そういう部分がみれて面白いですね」
「子どもたちをみていると、大人になって忘れていたものを思い出させてくれるみたいな(笑)ピュアだなって思います(笑)」
「世の中にしたって学校にしたって塾にしたって正しい答えを導き出さないといけないじゃないですか。ここは別に正しい答えってなくて、どう考えるかとか、どうやってみるかっていうところを大事にしています。答えを導き出すよりも、その答えを出す過程を大切にしています」
どんな人にきてもらいたいですか。
「私は企画を考えたりするのが苦手だし、決まった答えを導き出すのは簡単だけれど、ないものを作りだすことがなかなかできないので企画などゼロから考えてつくりあげることが好きな人がきてくれたらいいなって思います」
「クリエイティブに考えられる人ならきっと楽しいと思うし、エコエデュで活躍できると思います」
「けれど、自然が好き、人が好きな人が大前提ですけどね(笑)。とにかく人と関わることが好きな人だったら合うと思います」
なにか生み出すことに興味がある人。発想が豊かな人にはとても面白い仕事だと思う。
前職が教員、医療などさまざまな経験を持った人たちが集まりエコエデュという教育の場を作り上げていく。
最後に、原田さんは言います。
「他人の価値観を認めてあげられる社会になったらもっとよりよい社会になると思います。みんなそれぞれの価値観がある。あなたはこういう価値観で私はこういう価値観だから認め合おうねって考えられる社会になっていけたらと思います」
「いろんな人がいるんだから。みんな違うんだから。お互いに認め合えるようになりたいなって思っています」
子どもの社会においてもそれは変わらないと思う。子どもの時からこういう感覚をもって大人になることができれば価値観を認め合える社会ができるのではないかと思うし、そういう社会をつくるためにもエコエデュの活動は未来の起爆剤となると思う。
同行するなかで、原田さんと子どもたちが友達のように触れ合っていたのがとても印象的でした。また、初対面の私にも躊躇なく自然と話しかけてくれる子どもたち。大人になるにつれ、相手のことを意識するあまりなかなか話しかけることを避けてしまう。面識がなければなおさらのこと。ここへ来たことで、改めて自分の考え方や行動を見つめ直すキッカケになりました。
子どもと自然が好きな人は一度訪れてみてください。
ステキな人たちがここにいます。
- カテゴリー:
求人内容
企業名 | 認定NPO法人しずおか環境教育研究会(通称:エコエデュ) |
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WEBサイト | http://www.ecoedu.or.jp |
募集職種 |
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仕事内容 |
・里山を中心とした自然環境での環境教育プログラムの企画運営 ・市民ボランティアの育成・支援・コーディネート ・上記に付随する事務作業、外部との調整や営業、雑務 ほか |
雇用形態 | NPO法人準職員(正職員登用制度あり) |
給与 | 時給900円~ |
勤務エリア | 静岡・駿河区 |
勤務地 |
静岡県静岡市駿河区谷田1170-2 ※静岡県下各地への出張業務があります。 |
勤務時間 |
9:00~18:00(休憩60分) ※プログラムのある日は10:00~19:00(休憩60分) など変動あり。勤務日数は応相談で決めます。 |
休日・休暇 | 面接時に応相談。有給休暇は当団体規定による。 |
待遇・福利厚生 |
・通勤手当:実費(上限あり) 毎月20,000円まで ・加入保険:労災保険、雇用保険、健康保険 ・賞与:なし |
応募について
採用予定人数 |
若干名 ※採用が決まり次第終了とさせていただきます。 |
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応募資格 |
・普通自動車免許 ・PCが使える人(エクセル、ワードなど基本的な操作、入力など) |
求める人物像 |
・どんな人とも誠実で柔軟なコミュニケーションがとれる方 ・チームでプロジェクトを進めることができる方 ・社会における NPO の存在意義を理解する方 |
選考方法 |
まずは、下記より応募・問い合わせください。 書類選考(選考結果は10日以内に電話にて連絡いたします。) ▼ 面接(1次) ▼ 面接(2次、実地試験あり) ▼ 採用 |
その他
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